そぞろごと

本、鉱物、音楽、etc.

クリスマスに

いつも買っているコーヒー屋のスタンプカードが満杯になったので、この機会にふだんは買わないキリマンジャロでも買うか、と店に行ったら、200gで4,000円超えという驚異的な価格にたじたじとなった。高いとは思っていたが、まさかここまでとは……

とても手が出ないので、1,600円のキリマンジャロブレンドを買うことにした。これだって、ふだん買っている500円ほどのものと比べたら、かなりの価格だ。キリマンジャロが加わることで、ブレンドにどんな味の変化があるのか、ちょっと興味をそそられる。

で、帰ってさっそく淹れてみたところ──

ふだん飲んでいるのと、ほとんど味が違わない。どんなに気をつけてみても、キリマンジャロの風味を舌先で探り当てられないのだ。

おそらくだが、ふつうのブレンドキリマンジャロを数粒加えて売っているのではないかと思われる。それでもまあ看板に偽りはない。そうではないか、ジュピターコーヒー?

この店では550円のスペシャブレンドを買っているのがいちばん無難だ。


     * * *


いまジュピターコーヒーと、名前をはっきり出したが、これにはわけがある。というのも、このブログ、ある時期からアクセス数が激減したので、どうしたのかと思ったら、どうも検索エンジンに拾われなくなっているようなのである。

まったく読まれないブログというのも困りものだが、検索エンジンに引っかからないということは、ディープウェブ並の隠れ蓑をまとっているようなものなので、へたに検索避けをする必要がない。当り障りのあることでも堂々と書けるのはありがたい。はてなブログをやっていてよかったと思うのはそういうときだ。


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さてここからが本題。毎年12月になると、あちこちからクリスマス・ソングがきこえてくる。私はもともとクリスマスの雰囲気が大好きで、クリスマス情緒を盛り上げてくれるクリスマス・ソングももちろん大好きだった。

ところがある時期から、というのは、自分がクリスマスソングを演奏する側にまわってから、ということになるが、どの曲もみな大嫌いになってしまった。自分たちの陳腐な演奏のせいで、楽曲そのものが魅力を失ってしまったのだ。こういうことは往々にしてあるから、私は原則的に自分の好きな曲は自分のグループでは演奏しない。

ヨーロッパは、日本と比べてクリスマスの伝統も古いので、クリスマス・ソングのたぐいも無数にある。そのなかからたとえば──


バッハ:「クリスマス・オラトリオ」

バッハ:「クリスマス・オラトリオ」

ルネサンスのクリスマス音楽

ルネサンスのクリスマス音楽

  • アーティスト: アメリング(エリー),テルツ少年合唱団,ミヒャエリス(ベルンハルト),ミールシュ(ハンス=ウルリヒ),マクダニエル(バリー),ボーデンシャッツ,ラッスス,ハンドル,エッカルト,シャイト,シュミット=ガーデン(ゲルハルト)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2004/06/23
  • メディア: CD
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Icon: Elly Ameling

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こういったCDを聴いてクリスマスの時期をすごそうというわけだ。

よく知られているバッハの「クリスマス・オラトリオ」。これも、オラトリオというけれども、バッハの他の宗教カンタータ世俗カンタータと基本的には同じだ。私の思うのに、バッハのカンタータはどれを聴いても大差ないような気がする。ヴィヴァルディについての評言をバッハに当てはめれば、彼は同じカンタータを何百曲も作った、と。

ドイツ・ハルモニア・ムンディに吹き込まれたエリー・アメリングの数々の録音は、彼女の絶頂期を画するもので、このCDでもすばらしい美声を楽しむことが出来る。70年代のEMI盤では、声そのものの魅力はやや翳りを見せている。

ただ、こういうすばらしい演奏を聴いていても、どうもあまりクリスマスらしい情緒が感じられないのは、やはり21世紀に生きる日本人としてはやむをえないところだろう。これらの曲をほんとに楽しめるのは、れっきとしたクリスチャンだけだ。クリスマスというのが、本来はカーニバル的なものではなく、神の子がお生まれになったことを心から喜ぶ、素朴な民衆的な祝い事であったことが、これらのCDを聴くことで伝わってくる。