そぞろごと

本、鉱物、音楽、etc.

クイーンと「ミュージックライフ」

クイーンを扱った映画が公開されているらしく、その関連でか、こういう動画がアップされていた。


私はこれで東郷かおる子さんの顔を初めて知った。名前と、それから文章は、大昔にミュージックライフで知っていたが……

それにしても、なんという懐かしさだろう。画面にずらりと並んだミュージックライフの表紙。そのうちの一冊はたしかに私も買った。思えば、私はミュージックライフを読みながら育ったようなものだ。そして、クイーンは私が最初に熱中したロックバンドだった。

ラジオから聞こえてくる「キラー・クイーン」。これにがつんとやられたのである。歌っているのはてっきり女性だと思っていたので、レコード屋でジャケットを見たときは驚いた。

まあそれでも、当時はまだフレディも長髪で、写真ではメイクをしていたりと、けっこうカッコよかったんですよ。そのころ私は中一か中二で、シングル盤の「キラー・クイーン」を買ってきて、一日中そればかり聴いていた。家族はあきれて、なんべん聴いたら気が済むの、と小言をいっていた。

それからラジカセを親に買ってもらい、クイーンのミュージックテープを三枚目の「シアー・ハート・アタック」からさかのぼるようにして、三巻手に入れた。で、明けても暮れてもそればかり聴いていた。

そのうち、四枚目の「オペラ座の夜」が出るというので、私の熱はいやがうえにも高まった。そして、これをFMで首尾よくエアチェック(!)したときは私の興奮もマックスに達していた。しかし──

うーん、どうもこれがよくないんですよね。今思えば、よりポップになり、ソフトになり、コーラス中心になったのが、私にはつまらなく聞こえた原因ではないか。とにかくここでクイーン熱が一気に冷めてしまい、その後はまったく聴くことはなくなった。

熱狂的なクイーン漬けの日々は、だからおそらく一年くらいしか続かなかったことになる。

しかしまあ、それでよかったんだと思う。クイーンは、私が本格的に音楽を聴きだす最初期を画するバンドとして、自分の記憶のなかにはっきりと刻印されている。私にはそれだけで十分なので、話題になっている映画もたぶん見ないだろう。それはおそらく、私の記憶にあるクイーン、ミュージックライフ的なクイーンの印象をべつなものに変えてしまうだろうから。