そぞろごと

本、鉱物、音楽、etc.

ルイ・マル「地下鉄のザジ」

これも大昔見たものの再鑑賞。コメディはアメリカのものがダントツでおもしろいが、フランスもなかなかやりおるわい、といったところか。

そういえば、私がはじめてパサージュなるものを知ったのもこの映画の中でだった。そのときは、こんな夢のような商店街が実際にあるとは思いもしなかった。その後何年も経って、ベンヤミンの「パサージュ論」を読んだとき、はじめてそれがパサージュと呼ばれる建造物であることを知った*1

そうだ、パリはベンヤミンの、いやボードレールの昔から、たしかに遊歩に適した街なのである。この映画に出てくるトルスカイヨンは、正体不明の怪人物だが、その実体は「パリの遊歩者」ではないかと思う。


地下鉄のザジ [DVD]

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*1:マンディアルグの短篇「ポムレイ路地」は、le passage Pommeraye で、ナントに実在するパサージュを舞台にしている。たんなる「路地」ではないのである