そぞろごと

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ジャズギタリストがヅラをかぶれば

日本人で、ジャズが好きで、しかもギターを弾いているとなると、どうしても視野に入ってくるのが渡辺香津美だ。私も長いこと、この人の存在を忘れていたが、ギターを始めたのをきっかけに、Youtube で彼の動画をいくつか見る機会があった。

最近の動画をみてまず不自然に思ったのが頭髪だ。この人、いっときハゲかけていたような気がするのだが、いまみると、みごとに持ち直している。いや、これは持ち直しすぎだ。まあ、ふつうに考えてヅラもしくはそれに類したものでしょうね。

この人とほぼ同世代で、われわれに強いインパクトを残したアル・ディ・メオラ。彼もいっときハゲかけていたが、最近の動画では持ち直している。ほぼ不自然さを感じさせない、みごとなまでの隠蔽工作だ。

そこで思うのだが、この東西を代表する両ジャズラ・ギタリストは、あたまにヅラを載せているばかりでなく、音のほうにもヅラ的なものをかぶせているのではないか。かれらの音楽を失速させたのはかれらのヅラ依存体質であり、あるがままの自分を表現せずに、あるべき自分の表出のほうに力点をおいた結果、その奏でる音楽がリアリティを失って、まったく人の心に届かない、ということになってしまったのではないか。

そこへいくと、やはりマイルス、ナベサダは偉かった。かれらは頭同様、むきだしの音で迫ってくる。かれらはロックの影響を受けても、ヴィジュアル面でロックミュージシャンの模倣をすることはなかった。そこの違いはやはり大きいと思う。