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本の余白に

読書メモ

シャルル・ヴァン・レルベルグ

Faure;Melodies

Faure;Melodies


毎年この季節になると、ベルギーの詩人のシャルル・ヴァン・レルベルグを思い出す。
この人は私のちょうど100歳年上で、生まれた月もいっしょなら、日も3日しか違わない。
だからどうしたといわれるかもしれないが、こういうところにもなんとなく親近感をおぼえる。

レルベルグは日本ではあまり知られていないが、全世界的に見ても不朽の詩人である。
なぜかといえば、彼はガブリエル・フォーレの晩年の傑作歌曲集「閉ざされた庭」と「イヴの歌」に歌詞を提供しているからで、フォーレの歌曲が聴きつづけられるかぎり、付随的にレルベルグの詩も生きつづけることになるのだ。

フォーレの「閉ざされた庭」に収められている EXAUCEMENT(叶えられる願い) を和訳してみる。

きみがその疲れた額を
光り輝く両手にうずめるとき、
きみの祈りに応えて私の愛が
悲願成就とあらわれますように。


まだふるえているきみの口に
言葉がとだえ、
その口もとがほころんで
金の光に咲く薔薇のようなほほえみを浮べるとき、


きらきらと輝くきみの目に映る
神々しいものの到来を
その暗い心のうちに
しっかりと受けとめるとき、


閉ざされた庭に眠る妖精よ、
きみの静かな、ものいわぬ魂が、
かなえられた甘い願いのうちに
喜びと安らぎを見出しますように。


なんとなく春めいた感じがしませんか?