本の余白に

読書メモ

マラルメとボルヘス

マラルメの命題「世界は一冊の本となるべく存在している」は、100年前には気の利いたキャッチコピーだったかもしれないが、こんにちではどうだろうか。そのマラルメのあとをうけて、ボルヘスは「砂の本」を夢想する。時間的にも空間的にも無限のものを一冊に…

ギリシャ語入門

最近なにかと世間を騒がせているヒアリ。こやつは学名を Solenopsis invicta という。これだけみれば、わが愛する三葉虫の一種にみえなくもない。まあ三葉虫には学名しか存在しないので、似ているのは当然かもしれないが……さてこの学名というやつ、一般には…

昭和一桁台のエロ

「エロエロ草紙」とはまたすごい題名だね。 昭和五年というから、私の父の生まれた年にこんな本が出た、いや出かけたわけだ。 製本段階で発禁の憂き目にあったため、世には出回らなかったというが、じつは闇で売られていたんじゃないかな。まあそんなことは…

シャルル・ヴァン・レルベルグ

毎年この季節になると、ベルギーの詩人のシャルル・ヴァン・レルベルグを思い出す。 この人は私のちょうど100歳年上で、生まれた月もいっしょなら、日も3日しか違わない。 だからどうしたといわれるかもしれないが、こういうところにもなんとなく親近感をお…

牧逸馬「世界怪奇実話」より

千葉のベトナム人女児遺棄事件について mixiニュースを見ていたら、こういうつぶやきがあった。 mixi にログインが必要 たしかに!上記のつぶやきには青空文庫へのリンクが張ってあるから、興味のある人はくだんの「双面獣」(牧逸馬)を読んでみるといい。…

大岡信の死によせて

大岡信が亡くなった。 あまりよく知らない人だが、まったく知らないわけじゃない。 雑文と、単行本一冊くらいは読んだかな。 まあそんなものはどうでもよくて、詩人だから詩を読まないと話にならないだろう。 そう思ってうちにある「戦後名詩集」を開いてみ…

ある詩集について

1943年(昭和18年)に、25歳の青年が出した詩集「カンブリア紀」と、その後に書かれた詩やエッセイを合わせて一本としたもの。題名だけ見て「どんな詩集か?」と興味をもつ人がいるかもしれないので、ひとこと書いておけば、ここに集められた詩文はいわゆる…