そぞろごと

本、鉱物、音楽、etc.

鉱物蒐集のつづき

今月買った鉱物五点。

前回触れたごたごた騒ぎの最中に、こちらもまた大幅に遅れて到着したので、もう通販で外国から品物を取り寄せるのが心底うっとうしく感じられて、その萎えた心持がそのまま商品に投影された結果、ひどく興味の薄い、価値なきもののように思われたが、その後気をとりなおして眺めてみると、どれもそうわるくない。


Two tone Aragonite crystals -- Sefou, Morocco

Shattuckite, Muscovite and Quartz -- Kaokoveld plateau, Namibia

Fluorite and Muscovite -- Erongo mountain, Namibia

Mimetite, Cerussite and Duftite -- Tsumeb mine, Namibia

Azurite -- Kimbwe mine, Congo


今回のものでは、二番目と四番目のものが自分では気に入っている。アズライトは紫に近いブルーで、あまり好きな色ではない。フローライトはどうも質感が安っぽいのがいけない。アラゴナイトはたしかにおもしろいクラスターだが、これまた質感がチープであまり愛着がわかない。

というわけで、侘び寂びが前面に出ている二番目、四番目が今回のお気に入りとなった。

FossilEra

化石や鉱物好きの人はたぶん知っている、FossilEra というアメリカの店。最近ここで買い物をしてひどい目にあった。その顛末を書こうかと思ったが、めんどくさいのでやめておく。他人にはたいして興味をもってもらえそうにないしね。

いずれにせよ、この店でものを買うのはまったくお勧めできない。理由としては、

1.送料がバカ高い。今回の場合、1キロほどの重さで70ドル。
2.担当者が取引に積極的でない。とにかく返事が遅い。
3.納期が遅い。商品購入から発送まで約1週間。発送してから着くまで一ヶ月ほどかかる。
4.梱包が雑。今回は破損して届いた。金額(800ドル)に見合わないお粗末な梱包。

唯一の救いは返品・返金に応じてくれたことだが、これはまあ当然でしょうね。それをしなかったら詐欺だ。

というわけで、購入ボタンを押してから返金の確認をするまでの二ヶ月間、気の休まる暇がなかった。「こんな店で二度と買うか」というのが正直な気持だ。

eKOMI というフィードバックサイトがある。FossilEra のページはこちら。

これの negative 欄をみると、いかにこの店が信用ならないか、よく分るだろう。日本人の化石・鉱物好きから犠牲者が出ないことを望む。

ジャズギタリストがヅラをかぶれば

日本人で、ジャズが好きで、しかもギターを弾いているとなると、どうしても視野に入ってくるのが渡辺香津美だ。私も長いこと、この人の存在を忘れていたが、ギターを始めたのをきっかけに、Youtube で彼の動画をいくつか見る機会があった。

最近の動画をみてまず不自然に思ったのが頭髪だ。この人、いっときハゲかけていたような気がするのだが、いまみると、みごとに持ち直している。いや、これは持ち直しすぎだ。まあ、ふつうに考えてヅラもしくはそれに類したものでしょうね。

この人とほぼ同世代で、われわれに強いインパクトを残したアル・ディ・メオラ。彼もいっときハゲかけていたが、最近の動画では持ち直している。ほぼ不自然さを感じさせない、みごとなまでの隠蔽工作だ。

そこで思うのだが、この東西を代表する両ジャズラ・ギタリストは、あたまにヅラを載せているばかりでなく、音のほうにもヅラ的なものをかぶせているのではないか。かれらの音楽を失速させたのはかれらのヅラ依存体質であり、あるがままの自分を表現せずに、あるべき自分の表出のほうに力点をおいた結果、その奏でる音楽がリアリティを失って、まったく人の心に届かない、ということになってしまったのではないか。

そこへいくと、やはりマイルス、ナベサダは偉かった。かれらは頭同様、むきだしの音で迫ってくる。かれらはロックの影響を受けても、ヴィジュアル面でロックミュージシャンの模倣をすることはなかった。そこの違いはやはり大きいと思う。

男性と女性の行動様式

高山宏に「殺す、集める、読む」という題のエッセイ集がある。私はまだ読んでいないが、この題名だけでもうなってしまう。さすが学魔といわれるだけのことはあるな、と。

しかし、よくよく眺めてみると、「集める」と「読む」とを並べるのは、同義語反復の嫌いがなくはないか。少なくともドイツ語の lesen やラテン語の legere は、「集める」が原義のはずだ。コレクション collection の lection は、たぶんレクチャー lecture と語源を同じくする。

それはともかくとして、この三つの動詞が、男性に固有の行動様式になっているのが私にはおもしろい。そこで、ダブっている(と私には思われる)「読む」を削除して、ここにもっと適切な、男性固有の営為を入れてみたらどうなるか、と思うようになった。

さて、何を入れるべきか。

そこでふと思いついたのが、歴史の授業で習った「アダムが耕し、イヴが紡いでいたころ……」というやつだ。なるほど、男性は耕す存在なのである。土地を耕すだけでなくて、たとえば文化(カルチャー)なんかも耕す行為の一種だろう。文化や文明がおおむね男性の仕事であるのは、それが広く「耕す」行為だからだと思う。

そこで、高山氏の発案になるコピーを「殺す、耕す、集める」と改変して、男性の行動様式にしよう。

いっぽう、女性はといえば、男性に対になるようにするためには、どんな動詞がふさわしいだろうか。

いろいろ考えてみたが、やはりアダムに対するイヴとして、「紡ぐ」は外せないだろう。となると、あとは「集める」に対するものとして「飾る」、「殺す」に対するものとして「騙す」などがあがってくる。

そこでまとめると、

男性:殺す、耕す、集める
女性:紡ぐ、騙す、飾る

こんなところでどうだろうか?

クチャラーにはなるまいぞ

私は外食においてクチャラーに遭遇する率が高い。あれにはうんざりするね、こっちの飯までまずくなってくる。

だいたいクチャラーは外見的にも下品なおっさんが多い。まあ、一事が万事、といったところか。ああはなりたくないものだといつも思う。

とはいうものの、クチャラーにしても、ことさら他人に不快感を与えてやろうと思ってああいう食い方をしているわけではないだろう。意識のコントロールを離れたところで、クチャクチャと音が出てしまうのに気がつかないだけだ。

最近ギターを弾いていて、ギターにもクチャラー同様の「無意識の不快な音」が混ざることに気がついた。原因は左手のフィンガリングの不手際にある。つい隣の弦に爪をひっかけたり、指を弦から離すときにこすってしまったりと、雑音の出る可能性はいくらもある。

エレキでは音も大きいし、フィンガリングも雑(よくいえばダイナミック)なので、右手はたいていミュートしている。つまり弾かない弦を右手の腹で押さえて、音が出ないようにしているのだ。こうしておかないと、ビロビロ、ピラピラ雑音が出て聞き苦しいったらありはしない。

アコギでもそうやれば雑音は少なくなるだろう。しかし、アコギを右手でミュートすると、アコギ特有の豊かな共鳴が死んでしまう。弦振動はなるべく長く響かせておいた方が、弾いてるほうも楽しい。だから、基本的に右手は浮かせたままだ。当然ミュートはできない。

ではどうするか。可能なかぎり、左手の運指をなめらかにするほかない。それと、左手の指先でやるミュート。雑音が出たな、と思った瞬間に指先で弦に触れて、その音だけ消す方法だ。これはせこいといえばせこい技だが、やらないよりはましだろう。

だいたいうまい人は演奏フォームも美しいので、われわれも鏡で左手を見ながら、なるべくなめらかに指が動くよう、練習するほかない。鏡を見ながらの練習は、ギターの場合、とても効果的だと思う。自分でもほれぼれするような演奏フォームを身につけたとき、ギタークチャラーから完全に脱却している自分を見出すだろう。